日本政策金融公庫の創業融資を受ける前に、必ず読んだおきたい資料とは?

日本政策金融公庫で創業融資を受けようと思ったものの、何から手をつければいいかわからない。こんな方は、まず日本政策金融公庫が作成している創業者向けの参考資料を読んでみてください。日本政策金融公庫では、創業を考えている方に役立つ参考資料をホームページで公開しています。

このブログでは、当事務所が考える創業融資を受けるにあたって必ず読んでもらいたい参考資料についてまとめています。

日本政策金融公庫の融資を受ける前に、必ず読んだおきたい資料とは?

読んでおきたい資料まとめ(重要度ランキング付き)

日本政策金融公庫のホームページをご覧になったことはありますでしょうか?実は、ホームページ上には融資を受ける上で注意しないといけないことや、融資採択の可能性を上げるヒントになる参考資料がたくさん掲載されています。

日本政策金融公庫のホームページに掲載されている資料で、融資を受ける上で事前に読んでもらいたい資料を、当事務所が考える重要度のランキング付きで以下にまとめました。

(重要度の目安)

★★★:かなり重要なので必ず読んでもらいたい資料。一度目を通すだけでなく、出来れば隅々まで何度か読むくらいの気持ちで読んでほしい資料です。

★★:重要な資料。融資前には一度は目を通してもらいたい資料です。

★:余裕があれば確認してほしい資料。

 

重要度★★★:「創業の手引+(飲食版)」

ホームページのここにあります。

創業融資を受ける際に提出しなければならない「創業計画書」の書き方が簡潔にまとめられています。各記載箇所で注意すべきチェックポイントも細かく書かれています。創業計画書を作成する時には、ぜひこの手引を横に置いて作成してください。

また、創業計画書の書き方の他にも、創業者の実態に関する調査結果やお金を借りるために今からやるべき準備、飲食業向け融資制度の紹介などが載っています。

融資を受ける上で大切なことが書かれた資料ですので、必ず、何度も読むようにしてもらいたい資料です。

 

重要度★★:「小企業の経営指標」

ホームページのここにあります。

業種別に主要な経営指標をまとめた資料です。ここで記載されている経営指標と、開業予定店舗の収支計画(売上や利益などの見通し)を見比べてみて、原価率や人件費率などの重要な経営指標が業界平均から大きく離れていないかを確認しましょう。

各指標は必ずしも平均値と近い方が良いということはありませんが、平均から大きく離れるような場合には融資審査で質問される可能性があるので、その理由を説明できるように準備しておく必要があります。

 

飲食店の区分

「小企業の経営指標」では、飲食店は以下の区分に分かれています。

「一般食堂」、「日本料理店」、「西洋料理店」、「中華料理店」、「朝鮮料理店」、「カレー料理店」、「そば・うどん店」、「すし店」、「喫茶店」、「お好み焼き屋」、「ハンバーガー屋」、「料亭」、「バー・キャバレー・ナイトクラブ」、「スナック」、「酒場・ビヤホール」

ご自身の開業予定の店舗がどの区分かわかりますか?まずはざっくりでいいので、ご自身の業種を上記の区分に当てはめてみてください。

 

確認したい指標

資料には以下の指標が記載されています。

総資本経常利益率、自己資本経常利益率、売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高経常利益率(償却前)、人件費対売上高比率、諸経費対売上高比率、金融費用対売上高比率、総資本回転率、商品回転期間、受取勘定回転期間、支払勘定回転期間、従業者1人当たり売上高、従業者1人当たり粗付加価値額、粗付加価値額対売上高比率、従業者1人当たり有形固定資産額、粗付加価値額対有形固定資産額比率、有形固定資産回転率 、従業者1人当たり人件費、人件費対粗付加価値額比率 、店舗面積3.3㎡当たり売上高、1客席当たり売上高、当座比率、流動比率、借入金回転期間、固定長期適合率、自己資本比率、損益分岐点比率、1企業当たり店舗面積 等

慣れていない方は見るだけで頭が痛くなりますね…。ここに記載されている指標を全て理解するのは相当大変なので、3つだけ重要な指標をピックアップしました。この3つはぜひ押さえてください。

売上高総利益率=(売上高-売上原価)÷売上高

いわゆる粗利率です。原価率が35%なら、売上高総利益率は65%(100%-原価率35%)となります。ご自身の収支計画と業界平均を比べてみましょう。

人件費対売上高比率=人件費÷売上高

いわゆる人件費率です。個人事業で開業予定の方は、自分や家族の給料+パートアルバイトの給料を人件費として比率を出してみましょう。これもご自身の計画と業界平均を比べておかしな数字になっていないことを確認するために使います。

店舗面積3.3㎡当たり売上高=年間売上高÷店舗面積

いわゆる坪当たり売上です。飲食業で良く使うのは坪当たり月商ですので、指標の数字を12ヶ月で割って月当たりの売上に変えて、ご自身の坪当たり月商の計画と比較してみてください。

 

比較で注意すること

以下の2点に注意して比較してください。

・指標には業種別経営指標と従業者規模別経営指標が記載されています。業種別経営指標では、従業員人数が1人から50人までの企業の平均値が取られているため、店舗の規模に合った数字を確認するためには、従業者規模別経営指標を優先的に使ってください。

・仮に平均値と離れていたとしても、絶対にダメということではありません。フードに力を入れているのであれば原価率が平均よりも高くなるかも知れませんし、サービスに力を入れているのであれば人件費率が平均よりも高くなるかも知れません。経営戦略に沿ったものであれば特に問題ありません。融資を受ける上では、経営戦略の方向性と経営指標がずれたものになっていないかを注意してもらえれば良いかと思います。

例えば、「原価率も人件費率も平均を下回るのに、坪当たり売上は平均を大きく上回って儲かる収支計画」になっていれば、なぜコストをかけずにそんなに売上が上がるのかと融資担当者は疑問に思います。これに対して説得力のある理由が説明できなければ、収支計画を考え直す必要があります。

 

重要度★:「創業Yell」「起業すぴりっと」「その他各種調査レポート」

それぞれ創業で役に立つ情報が載っているので、余裕があれば是非読んでみてください。ホームページのここにあります。

詳細は割愛しますが、それぞれの資料で読んでもらいたいポイントを簡単にまとめました。

「創業Yell」:SWOT分析と資金繰りの解説ページは重要。経営を考える上で知っておいて損はありません。

「起業すぴりっと」:フランチャイズチェーンの選定の注意点は重要。安易なフランチャイズ加入の創業で経営に失敗する事例を踏まえて、注意点がまとめられています。フランチャイズで独立を目指す方はぜひ読んでください。この他にも知っておいて損はしない創業の心得などが記載されています。

「各種調査レポート」:飲食店経営を考える上で役立つような統計調査などがありますので、余裕があればぜひ読んでみてください。良いヒントになるかも知れません。

 

◎◉ この記事のポイント ◉◎

  1. 創業融資を受けるにあたっては、重要度★★★の「創業の手引+(飲食版)」は必ず、何度も読む。
  2. 重要度★★の「小企業の経営指標」は、収支計画の経営指標との比較で使う。自店舗の経営指標が平均から離れている時には、融資面談で理由を説明できるように準備しておくこと。
  3. その他重要度★の資料も余裕があれば目を通しておく。何か経営のヒントになるものが発見できるかも。