【2018年版】飲食店で使う創業補助金

【2018年版】飲食店で使う創業補助金

【2018年版】飲食店で使う創業補助金

当補助金は、飲食業に限らず多くの業種で利用できますが、当ブログではあくまで飲食業の方の利用を想定して補助金制度の解説を行なっています。
参考リンク:地域創造的起業補助金事務局

今年度の創業補助金の正式名称は「地域創造的起業補助金」となっています。応募書類や記載要領はこちらのホームページからご確認ください。

(1)どんな人が使えるの?

飲食業に関連した方では、このような方が申請できる補助金です。(ご注意:当ブログは飲食業を営む方向けに書いていますが、補助金自体は飲食業に限らず他の事業でも申請は可能です。)

(1ー1)創業予定の方

平成30年4月27日以降に開業予定の方
  • 個人事業主として開業予定の方も、法人を作って開業予定の方も、申請可能です。
既に飲食店の個人事業主となっている方
  • 今後新たに会社を設立して、別事業(飲食業以外)を行う予定の方は申請可能です。
既に飲食業の会社を経営されている方
  • 今後新たに会社を設立して、別事業(飲食業以外)を行う予定の方は申請可能です。
  • 今後個人事業主として、別事業(飲食業以外)を行う予定の方は申請可能です。

また、上記とは逆に、新たに飲食業に進出するために会社設立予定の方も申請可能です。

(1−2)その他の要件

創業予定であること以外に重要な要件について募集要項よりピックアップしました。

募集要項から一部抜粋

  • 事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れること。
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村における創業であること。
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者から同法第2条第25項に 基づく認定特定創業支援事業を受ける者であること。 等

・新規雇用

従業員の新規雇用は、正社員だけでなくアルバイトでもOKです。

・認定市区町村における創業

今回も産業競争力強化法に基づく認定市区町村での創業であることが、要件となっています。ご自身の開業場所が認定市区町に該当するかは以下でご確認ください。

認定市区町村一覧(中小企業庁ページへのリンク)

・認定特定創業支援事業を受ける者

特定創業支援事業も「?」という感じですよね。こちらもざっくり言うと、認定を受けた市区町村等が主催する創業スクールをイメージしてもらえれば良いかと思います。こちらは申請前もしくは申請後に受ける必要があります。創業予定の市区町村等で実施している内容が異なりますので、「特定創業支援事業 〇〇市」などで検索して調べてみてください。

これらの他にも、みなし大企業にあたるかや、従業員の数などについて要件がありますので、詳細は募集要項でご確認ください。

 

(2)補助対象経費と補助率

補助対象経費と補助率はこちら。

補助対象経費(募集要項から一部抜粋)

①人件費、②店舗等借入費、③設備費、④原材料費、⑤知的財産等関連経費、⑥謝礼、⑦旅費、⑧マーケティング調査費、⑨広報費、⑩外注費、⑪外注費、⑫その他

補助率(募集要項から一部抜粋)

  • 外部資金調達がある場合…補助対象経費の1/2以内 50万円以上 200万円以内
  • 外部資金調達がない場合…補助対象経費の1/2以内 50万円以上 100万円以内

外部から借入をして創業する場合には上限額が200万円となります。

補助対象経費について、飲食業で申請する場合に、特に気をつけたいところだけピックアップして解説します。

・人件費

募集要項から一部抜粋

【対象となる経費例】直接従事する従業員(パート、アルバイトを含む。補助事業の実施のために必要となる交付決定日より前に雇用した者を含む。)に対する給与(賞与・諸手当を含む。)、賃金 等

  • 日本国外で従事する従業員については、国内の事務所等と直接雇用契約を締結した邦人に限る
  • 補助対象となる金額は、1人当たり月額35万円が限度(パート、アルバイトは1人当たり日額8千円が限度)

【対象とならない経費例】個人事業主の場合は、本人及び個人事業主と生計を一にする三親等以内の親族の人件費、雇用主が負担する社会保険料・労働保険料等、交付決定日より前に支払った給与、賃金

当補助金は人件費が対象になっています。ただし、雇用関係や人件費の支払いを証明する書類(雇用契約書や賃金台帳)などの整備が必要ですのでご注意ください。

 

・店舗等借入費

募集要項から一部抜粋

【対象となる経費例】国内の店舗・事務所・駐車場の賃借料・共益費 ・仲介手数料 等

【対象とならない経費例】店舗・事務所の賃貸契約に係る敷金・礼金・保証金等、既に借用している場合は交付決定日より前に支払った賃借料

店舗に関連した経費は補助対象になります。

 

・設備費

募集要項から一部抜粋

【対象となる経費例】国内の店舗・事務所の開設に伴う外装工事・内装工事費用 等

【対象とならない経費例】中古品購入費 、不動産の購入費車両の購入費(リース・レンタルは、対象となります。) 、汎用性が高く、使用目的が本補助事業の遂行に必要なものと特定できない物の調達費用 (例:パソコン、カメラ等容易に持ち運びができ、他の目的に使用できるもの)

パソコンやタブレット端末は対象外となるのでご注意ください。

 

・原材料費

募集要項から一部抜粋

【対象となる経費例】試供品・サンプル品の製作に係る経費(原材料費) 等

【対象とならない経費例】主として販売のための原材料仕入れ・商品仕入れとみなされるもの 等

飲食店では食材や酒類の仕入れは対象外になりますね。

 

・広報費

募集要項から一部抜粋

【対象となる経費例】販路開拓に係る広告宣伝費、パンフレット印刷費、 等

【対象とならない経費例】本補助事業と関係の無い活動に係る広報費(補助事業にのみ係った広報費と限定できないもの) 等

広告宣伝費も対象ですが、名刺や会社案内は補助事業と直接関連するものではないので対象外となる可能性が大です。

 

・その他

募集要項から一部抜粋

【対象とならない経費例】求人広告、本人及び従業員のスキルアップ・能力開発のための研修参加に係る費用 等

 

(3)補助金を受け取る注意点

他の補助金と共通ですが、この補助金についても以下の注意が必要です。

・補助金は後払い

良くある誤解ですが、審査を通過したらすぐに補助金がもらえるわけではありません。先に自分で立て替えて、使用した経費の実績を報告して後払いで補助金を受け取る形になります。

・支払いは採択後に

無事に審査を通過すると、まずは「採択通知」が送られてきて、その後に「補助金交付決定通知書」が送られてきます。

「決定通知書」が届くより前に支払ったり契約した経費は補助金の対象とはなりません。当補助金では、例外的に雇用契約と物件の賃貸借契約は決定前でも良いのですが、補助対象経費となるのは決定通知後の支払いのみが対象になります。

 

(4)スケジュール

スケジュールは以下のようになります。

・申請締切

書面応募:2018年5月22日、電子メールによる応募:2018年5月26日

・採択公表

2018年7月〜8月

採択結果が公表された後に、交付決定通知書が届きます。前段で説明しましたが、通知書が来るまでは申請した経費は使用してはいけませんので注意してください。

・補助事業の実施期間

2018年12月末まで

交付決定後に補助事業で申請した取り組みを実施します。少なくとも2018年12月までには取り組みを完了させてなくてはいけません。完了後には報告資料を作成して提出します。

・補助金の入金予定

2018年3月末まで

(5)採択率

(5−1)過去の採択率

あまりみなさまの創業補助金に対する期待値を上げすぎないように、先にお伝えしておきますが、採択はかなり難しくなることが予想されています。

過去4年間の採択実績を数字で並べてみました。

年度 平成26年度 補正予算 平成27年度 平成28年度 平成29年度
募集期間 平成27年3月2日ー3月31日 平成27年4月13日ー5月8日 平成28年4月1日ー4月28日 平成29年5月8日-6月2日
公募件数 2,984件 1,170件 2,866件 739件(創業のみ)
採択件数 1,669件(創業1,631件、事業承継38件) 775件(創業756件、事業承継19件) 136件(創業134件、事業承継2件) 109件(創業のみ)
採択率 55.9% 66.2% 4.7% 14.7%

平成28年度以降に採択率が一気に下がりました。昨年は若干回復していますが、採択率は10%台ですのでやはり難しい補助金であることは変わりないですね。

(5−2)今年度の採択予定数

事務局募集要項より抜粋

補助予定件数95件

ちなみに前年度は、創業約150件の採択を予定→結果は109件の採択でした。今年度も昨年と同じかもしくは若干厳しいぐらいの採択率になるのでは?と感じています。

 

(6)飲食店の採択例

難しい補助金ですが、飲食業での採択事例は全国であります。公表されている採択一覧(平成29年分)から、飲食業と思われる採択事例だけを抜き出してみました。

都道府県/市区町村 事業テーマ
北海道 上川郡清水町 救え!おかず、弁当難民!古民家(空き家)を活用した地域唯一の手作り惣菜と居場所カフェ
岩手県 和賀郡西和賀町 地本食材を使用したコース料理主体のレストラン開業
山形県 山形市 ピクニックカフェバー&山形初グランピング
茨城県 取手市 地域の高齢者を食事から元気にする‼地域の惣菜屋「とりでり」の事業
栃木県 さくら市 栃木県さくら市フィオーレ喜連川における、人がわいわい集まるダイニングレストラン和伊和 伊、新規開業
栃木県 足利市 地域食材によるアイデア洋菓子の製造・販売と立地(総合病院そば)を活用した低糖カフェの 展開
群馬県 伊勢崎市 女性きき酒師による群馬の隠れた名酒と名食材のペアリングが楽しめる隠れ家Barの開業
東京都 目黒区 焼鳥とワイン&ウィスキーを楽しむレストラン事業
神奈川県 小田原市 千利休の茶室「天正庵」その跡地を使い、小麦で人と人とが繋がるパン屋
神奈川県 横浜市 街中にいながら海岸沿いのテラスに来たようなプチ旅行気分を味わえるスープカレー屋さん
山梨県 南都留郡富士河 口湖町 The bridge café between Japan and foreign countries~日本と外国とを繋ぐ架け橋カフェ~
愛知県 名古屋市中区 未知の愛知雑穀を活かし広める!新食感食パン専門店及び地域活性化事業の展開
三重県 鈴鹿市 自分に正直に『好き』を追求するハード系パン専門店
福井県 福井市 「地産地消」をコンセプトに顧客要望に応じた料理の提供
奈良県 奈良市 大和食材による日本の食文化「神饌」を世界に誇れる長寿飲食事業として実施
兵庫県 三木市 ほっと一息、オール三木市産食材の和食提供のカフェ
兵庫県 佐用郡佐用町 地域ならではの旬の食材を使い溶岩石窯で焼く、こだわりパンの提供
鳥取県 倉吉市 実家で生産した新鮮・安心・安全な野菜を使用したカフェ・バーの開業
広島県 広島市南区 広島地鶏を使用した炭焼き料理を提供し、女性客、外国人観光客をターゲットとしたお店
山口県 宇部市 中心市街地に癒しと寛ぎの場を提供するフクロウカフェビジネス
福岡県 筑紫野市 糖質含有量の少ない大豆粉・おからなどの食材を使用し、糖質を抑え食物繊維を含む洋菓子 製造販売の実施
長崎県 長崎市 結婚を望む独身男女に、自然な形で出会いの場を提供する、おせっかいおばちゃんのような 飲食店

この他にも食に関連した製造業も採択事例がありますので、採択数全体の約20%程度が食関連の採択となっています。

 

(7)採択されるためのポイント

採択件数

補助金全般で共通ですが、提出した書類だけで判断されますので、提出書類のクオリティーが勝負です。

特に募集要項に記載されている「審査の着眼点」は良く読んで、自分の事業をアピールできるように書類を作成しましょう。今年度の審査の着眼点は以下のとおりです。

募集要項から一部抜粋

○主な着眼点は、以下のとおりです。

1. 事業の独創性(技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること。)

2. 事業の実現可能性(商品・サービスのコンセプト及びその具体化までの手法やプロセスがより明確となっていること。事業実施に必要な人員の確保に目途が立っていること。販売先等の事業パートナーが 明確になっていること。)

3. 事業の収益性(ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、又はそれらの提供方法に対するニ ーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性がある こと。)

4. 事業の継続性(予定していた販売先が確保できないなど計画どおりに進まない場合も事業が継続されるよう 対応が考えられていること。 事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。 また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。)

5. 外部資金調達(金融機関による外部資金の調達が見込めること。 (外部資金調達の予定なしの場合は、補助金申請額の上限額は100万となります。))

※平成25年6月に公布された小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等 の一部を改正する等の法律(小規模企業活性化法)を受け、これから創業する女性や若者(29歳以下)に対しては一定の配慮を行います。

応募書類作成にあたっては、上記の着眼点について、漏れ無くアピールできているか良く確認してくださいね。

別の補助金になりますが、補助金申請に関する一般的なポイントをまとめているこちらのブログも参考にしてください。

【2018年版】飲食店のための小規模事業者持続化補助金 採択のための3つのポイント

2018.05.04

 

募集期間も短く、難しい補助金ですが可能な方はぜひ挑戦してみてください。